来院時のお悩み

40代女性。
肩こりは以前からありましたが、最近は仕事を終えて家に帰る頃になると、肩の重さを強く感じるようになっていました。
特につらいのが夜です。
お風呂に入っても肩の重さが残り、寝る前には湿布を貼るのがいつの間にか習慣になっていました。
「毎晩肩が重たくて、湿布を貼って寝てるんです」とのこと。
以前マッサージを受けたこともありましたが、翌日の揉み返しがつらく、それからは強く揉まれることにも抵抗があったそうです。
湿布を貼れば何となく安心するものの、翌日になればまた肩が重くなる。
「毎日これを繰り返すのもどうなのかなと思って」とご来院されました。
お身体の状態
まず肩を触る前に、立った状態で身体全体を見せていただきました。
首から肩にかけてかなり張っています。
ただ、私が気になったのは肩そのものよりも、背中から肩甲骨にかけての動きの小ささでした。
腕を上げてもらうと肩も一緒に持ち上がり、背中や肩甲骨が十分についてきません。
さらに腕にも張りがあり、肩だけが頑張って腕を動かしているような状態になっていました。
これなら肩を揉んだ時だけ楽になっても、毎日の仕事や生活の中でまた肩に負担が集まりやすくなります。
今回も、肩の硬さだけを追いかけず、なぜ毎晩肩が重くなるのかを身体全体の動きから見ていくことにしました。
施術内容
最初のベッドでは、いきなり硬い肩を揉むことはしません。
背骨をやさしく揺らしながら背中に動きをつけ、肩甲骨、腕へと順番に触れていきました。
マッサージで揉み返しを経験されている方ですから、なおさら「硬いから強くほぐす」という施術はしません。
強い刺激を入れなくても、背中や肩甲骨が動き始めると肩周辺の力も少しずつ抜けてきます。
そこで、肩こりへさらに深くアプローチするためのベッドへ移動していただきました。
仰向けで首から肩、頭部、顔まわりまでやさしくアプローチ。
施術を進めていくと、最初は力が入っていた肩もベッドへ自然に落ちるようになってきました。
私は20年以上施術をしてきましたが、硬いところを強く揉めば身体が楽になるとは考えていません。
身体全体の余計な緊張を減らし、その方がもともと持っている回復する力が働きやすい状態をつくる。
そのうえで、一番つらい肩を丁寧に見ていきました。
来院後の変化
施術後、起き上がって肩を動かしていただくと、「肩がすごく軽い。こんなに軽くなるんですね」とのこと。
何度か肩を上げ下げしながら、
「いつもの重たいものが肩に乗っていない感じです」
と話されていました。
首も動かしていただくと、「首も楽です。強く揉んでいないのに不思議ですね」と驚かれていました。
そして帰り際には、
「今日は湿布を貼らずに寝てみます」
とのこと。
毎晩湿布を貼るほど肩こりが続いていたこともあり、しばらく身体の状態を見ながら通院していただくことになりました。
※施術による変化や感じ方には個人差があります。
院長より
肩こりで来院される方に、
「湿布は使っていますか?」
と聞くと、
「毎日貼っています」
という方が意外といます。
湿布を使うことが悪いという話ではありません。
つらい時に自分でできることとして使っている方もいるでしょう。
でも私が気になるのは、毎晩湿布を貼ることが当たり前になるほど、肩の重さを我慢していることです。
今回の方もそうでした。
肩がつらいから肩を何とかしたい。
それは当然だと思います。
でも身体を見せてもらうと、肩だけではなく、背中や肩甲骨、腕にも動きにくさがありました。
だから私は、
「肩が硬いですね。では肩を揉みましょう」
だけで終わらせたくありません。
患者様が「肩が重い」と感じている身体で、実際には何が起きているのか。
一人ひとり触れて、動かして、確かめながら施術する。
そして、その方自身が持っている回復する力をできるだけ邪魔しない身体へ戻していく。
20年以上患者様の身体に触れてきて、今もそこを大切にしています。
毎晩湿布を貼ることが当たり前だった方が、
「今日は貼らなくても大丈夫かな」
と思える。
私は、そんな小さな変化も大切な一歩だと考えています。









