来院時のお悩み

40代女性。
以前から肩こりがあり、特に仕事が忙しい時には肩の重さや硬さを強く感じていました。
肩がつらくなると、自分でも少し楽にしようと肩を回すことが多かったそうです。
その時に気になっていたのが、肩を回した時の音でした。
実際に肩を回しながら、「肩がこるので、いつもこうやって回すんですけど、ゴリゴリ音がするんです」
と話されていました。
肩を回しても以前ほどスッキリせず、最近は肩こりそのものも強く感じるようになってきたことから、一度きちんと身体を見てもらいたいとご来院されました。
お身体の状態
まず普通に立っていただき、肩だけではなく身体全体の姿勢と動きを確認しました。
首から肩にかけて筋肉の張りが強く、肩は少し内側へ入りやすくなっています。
腕を上げたり肩を回したりしていただくと、肩だけが大きく動いている一方で、背中や肩甲骨の動きが十分についてきていません。
肩甲骨周辺の筋肉にもかなり張りがあり、背中にも硬さがみられました。
肩を回した時のゴリゴリという音については、音だけで身体の状態や原因を決めることはできません。
そこで今回は「音をなくす」ことを目的にするのではなく、肩こりが強くなっている身体を実際に確認し、肩甲骨や背中を含めて肩が楽に動ける状態をつくることを考えました。
施術内容
まず最初のベッドで、身体全体の動きや筋肉の緊張を確認しました。
肩がかなり硬くなっていましたが、当院ではあえて肩を強く揉むことはしません。
肩を回すとゴリゴリするからといって、その肩だけを一生懸命動かしたり揉んだりするのではなく、まず肩と一緒に動いてほしい背中や肩甲骨から整えていきました。
背骨をやさしく揺らしながら背中の緊張をゆるめ、肩甲骨周辺にも少しずつ動きをつけていきます。
さらに腕から肩につながる筋肉の状態も確認しながら、肩だけに動きが集中しないよう身体全体のバランスを整えていきました。
身体全体の余計な緊張が抜けてきたところで、
肩こりへさらに深くアプローチするためのベッドへ移動していただきました。
ここでは仰向けになっていただき、首から肩につながる筋肉の緊張、肩の位置、腕や肩甲骨とのつながりを細かく確認しながらアプローチ。
頭部周辺にもやさしく触れながら、身体全体が余計な力を抜きやすい状態へ整えていきました。
肩こりだからといって、肩だけを見て施術するのではありません。
まず身体全体の余計な緊張を減らし、その方が本来持っている回復する力が働きやすい状態をつくる。
そのうえで、今一番つらさを感じている肩へさらに深くアプローチしていきます。
つらいところだけを追いかけるのではなく、身体全体から回復できる状態へ導いていく。
それが、私が20年以上の施術の中で大切にしてきた考え方です。
来院後の変化
施術後、肩をゆっくり回していただきました。
すると、「すごく軽い。肩がくるくる回ります」と何度か肩を動かしていました。
さらに、「さっきまで肩を回すのも重たかったのに、全然違います」とのこと。
ゴリゴリという音については、音そのものが完全になくなったわけではありません。
ただ、ご本人は、
「音は少しするけど、肩がこんなに軽く回るなら全然気にならないです」
と話されていました。
肩こりも以前から続いていたため、しばらく身体の状態を整えていきたいとのことで、継続して来院していただくことになりました。
※施術による変化や感じ方には個人差があります。
院長より
肩こりで来院される方の中には、「肩がつらくなると、いつも自分で肩を回しています」という方は少なくありません。
そして実際に肩を回してもらうと、
「ほら、こうするとゴリゴリ鳴るんです」
と音を気にされる方もいます。
ただ私は、音がすることだけを問題にはしていません。
大切なのは、その肩が今どう動いているのか。
肩を回した時に肩甲骨は一緒に動いているのか。
背中は硬くなっていないか。
首や腕まで余計な力が入っていないか。
身体を実際に見ていくと、ご本人が「肩の問題」と思っていたものが、肩だけを見ていても分からないことがあります。
今回の方も、肩そのものだけではなく、背中や肩甲骨周辺の動きが小さくなっていました。
だから私は、ゴリゴリする場所を無理に動かして音をなくそうとはしません。
まず身体全体が楽に動ける状態をつくり、そのうえで肩こりへさらに深くアプローチする。
施術後に患者様が、
「音は少しするけど、肩がこんなに軽く回るなら気にならない」
と感じられたように、音そのものよりも、毎日の生活の中で肩を楽に動かせることの方が大切だと考えています。
身体の一部分だけにとらわれず、その方の身体全体を見ながら、今より楽に過ごせる状態を一緒につくっていく。
これが、私が日々の施術で大切にしていることです。









